海藻をガイドしよう 「深さで勝負?」
いきなりですが、海藻の種類は水深で変わってくることにお気づきでしたか?レクリエーショナルダイビングで使用する-30mまでの水深には、海藻が多種生息していますので、水深により海藻の種類が異なることが判れば、透明度が悪い日にガイドをしているときにも、この辺りまで帰ってきたなぁって、海藻を見るだけでわかるので、ナチュラルナビゲーションのヒントとなります。
どの水深にどんな海藻が生育しているのか、大まかには、浅いところから順に緑藻、褐藻、紅藻と言われているのですが、あながちそうでもないようです(例えば、緑藻のクロミルは水深-18m付近に生育)。自分のフィールドではどんな海藻が水深毎に生えているかは、実際に潜って観察してみないとわからないです。
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例えば、香住DSでよく使う竹野切浜・淀の洞門ポイント。エントリー口には、ホソジュズモやシオグサ類、ホンダワラ類がたくさん着生しています。それをかき分けるようにエントリーし-5mまでくると、ホンダワラ類とワカメ類が水面まですくっと伸びて、まるでうっそうと茂った森のように生えています。-7mではホンダワラ類が少なくなる一方、マクサやツルモが生えています。さらに深場の-18mまで行くと、この水深ではワカメの他に、ヨレモク、ノコギリモクなどの深場にいる海藻のほか、カニノテやヒライボ、カワライシモなどのサンゴモ類が目立ってきます。
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☆水深と光の関係
海藻により、生息する水深に違いがあるメカニズム、実は「ダイビング中の色の見え方」を合わせて考えてみると、判りやすいと思います。
太陽の光は七色ですが、水中に潜るとその深度で、くすんでくる色が出てきます。赤から順番に無くなり、最後は青一色の世界です。それだけ、水中は光のエネルギーが届きにくくなります。
ところで、海藻は陸上植物同様に光合成をして、光から栄養分を作ります。海藻の身体の中には、光合成色素という、エネルギーとなる光をキャッチするための道具があるのですが、種類によってその色素が異なるため、それぞれキャッチしやすい水深で生活するのです。どんな海藻でもエネルギーをたくさん頂ける浅いところが良いのでしょうけど、そうすると、波に打たれたり、潮が引くと陽の光がまともに当たるなど、過酷な環境になります。だから、自分の身体にあった居心地の良い場所を探し、着生するようです。
☆ガイドのコツ
ガイドをするときには、海藻が水深により種類が変わってくることを見て頂くため、何度かコースの中で立ち止まって、魚をお見せするだけでなく、海藻類も簡単で良いのでお話してみましょう。お気に入りの海藻がどの水深で着生しているのかを観察することも大切ですね。そうすることで、ガイドコースの一つの指標となると思います。実際にそんなことを考えてダイビングしていなかったという方も、一度、お気に入りのコースでダイビングを行ってみて、水深毎に生えている海藻に違いがあるかどうか、見てみて下さい。
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参考文献
TDK・Science Museum
水深に応じて変わる海藻の色
つくば生物ジャーナル Tsukuba Journal of Biology (2004) 3
特集:植物の世界(平成16年度筑波大学公開講座) カラフルな海藻は語る
宮城県/水産研究開発センター/伝統的漁具漁法 海藻
伝統的漁具漁法シリーズⅧよりワカメとコンブ
フィトンチッド普及センター連載 『森林の不思議を科学する』
(連載12) 海の森林のはなし その2 逆瀬川 三有生
生物学の広場 - BIOSRV –
東洋大学・自然科学研究室 講義冊子 第7章 水中の光環境への適応
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