ニジギンポの生態のお話<繁殖行動> in佐津ビーチ
私の大好きなニジギンポ。学名:Petroscirtes breviceps イソギンポ科。よくスレートに「穴好きなニジギンポ」と書く、まんがチックな顔をしたお魚さんです。(こーんな感じ→(‘ー’)) 縦型のホバリングがとっても上手いです。
今回は、何とイワガキの空の殻の中に卵を持ってじっとしていました。普通なら空き缶や筒、サザエの殻など、外敵が入りにくい、1個体だけがようやく入れるようなところに産卵するのですが、今回見つけたこの子の家はとっても見えやすい。この卵達はすでに黒目が見えていて、もうちょっとしたら孵化する感じですね。私たちダイバーにはうれしいものの、見えやすいどころか、他の個体もどんどん入って来れそうなお家です。この場所は初心者にもやさしい水深と位置なので、観察するには絶好の位置。こんな一等地に一軒家を構えてくれてありがとうって、とっても幸せでした。近くには産もうかなぁ~、もうええのかなぁ~って待ち構えている、お腹の大きいメスもいて、盛んにお家へ入っていました。撮影をしていると、ニコってしているのかと思いきや、いーって白い歯を見せて怒っているようです(写真でも白い歯が見えてますね)。同じような表情はオスが来たときにも見せ、必死で抵抗して一軒家を守ります。
ニジギンポの繁殖シーズンは6-9月。はオスが自分の一軒家を見つけ、せっせと掃除をし、メスを迎え入れる準備をします。メスがやってきて、巣の中にオレンジ色の卵を産み付けると、そこに精子をかけ、受精させます。その後、メスはどこかへ行ってしまいますが、オスは卵がふ化するまでの約10日間、一軒家でその卵を守ります。絶えずヒレを動かし卵に新鮮な水を送り、死卵があればすぐに取り除いたりとせっせと世話をしながら、卵の成長を促します。孵化するとその近くで泳いでいることが多いらしく、初夏に産まれたニジギンポベビーをオアシスでよく見かけます。
ところで、ニジギンポは一夫多妻なのですが、繁殖シーズンの前半と後半では、繁殖行動に違いが見られることで有名です。前半は、お盛んなオスがさかんにメスをお家へ誘導するように行動するのですが、後半はメスが押しかけ女房ばりに、どんどん家に押し入って産卵するのです。この生態については、4年前位に大阪市大・柴田氏によって発見されたようです。私が見た、メスがオスの家の中へずかずかはいっていくしぐさは、ちょうど後半の押しかけ女房を見たのでしょう。
ということは、今は、次々にオスの一軒家にメスが入り込んで卵を産みつけていく時期。その度に精子を出して受精させ、そして前の卵、今の卵って育てていかなくてはいけないのです。留守にすると隙あらば卵を産み落とされている現実・・・。秋口になると、その家はオレンジの卵でびっしりになります。オスはその度にあまり食事が取れない生活になりますから、こうなればメスとの知恵比べ以上に、体力勝負って感じでしょう。人間と違ってなーんてけなげなんでしょう、ニジギンポちゃんてば。(爆)



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